#003 水の安心について①
ミネラルウォーターって安心?
主にペットボトルや宅配水として市販されている水は、一般にミネラルウォーターとして認識されていますが、実はいくつかの種類があることをご存じでしょうか。
食品衛生法(昭和22年 法律第233号)に規定されているミネラルウォーター類には、以下の4種類が含まれます。
- ① ナチュラルウォーター
主に地下水を原水とし、ミネラル分の溶解が少ないもの。 - ② ナチュラルミネラルウォーター
移動中や滞留中に地層や鉱物からミネラル分が溶解した地下水。 - ③ ミネラルウォーター
①②を原料として品質安定のためにミネラルを追加したもの。 - ④ ボトルウォーター
蒸留水など、①~③以外で飲用可能な水。
市販されているミネラルウォーター類の約8割が②に該当しますが、含まれるミネラルの種類や量は様々です。
ミネラルウォーターという呼称からは、ミネラルが豊富に含まれているような印象を受けるかもしれませんが、いずれも人体の必要ミネラル量を前提に考えると含有量が極めて少なく、ミネラルの補給源としては効果があるとは言えません。
ミネラル類はえぐみや苦みのもととなるため、硬度の高いミネラルウォーターは、調理や、お茶、コーヒー類に不向きだと言われ、あくまで好みに合わせて、飲料水として利用する方が無難でしょう。
なお、赤ちゃんのミルクに使用した場合、ミネラルの過剰摂取が赤ちゃんの身体に負担をかける危険性があるため、十分な注意が必要です。
また、天然の地下水にはミネラル以外にも、微量ながらヒ素や鉛など、自然界に存在する多種多様な物質が含まれていることも知っておきましょう。
ミネラルウォーターは、「安心な水」というよりも、極めて嗜好性の高い清涼飲料水なのです。